樹を描くひと
宍戸純
・広島県三次市君田町 出身
・島根県出雲市斐川町 在住
・一般社団法人二紀会所属
「どうして樹を描き続けるのですか?」
これまで絵を描いてきて、これが一番多く向けられた質問だと思います。
私は広島県北部の山の中で育ち、いつもそばには自然がありました。高校に入って初めて美術部に入部し、油絵を描くことになりました。そこでモチーフとして日常的に見て触れていた樹を選んだのは、私にとって自然のことだったように思います。
はじめは特にこだわって樹を描いているわけではありませんでしたが、どうも樹ばかり描くようになり、その理由を考えてみました。
絵を描くにはその対象をしっかり見つめなければなりません。はじめはフォルムが気に入ったという、単純な理由だったと思います。そして見つめているうち、それに秘められた生命感や力強さに魅かれるようになり、樹が醸し出すエネルギーを私も表現したいと思うようになりました。
しかし絵を何年か描いていくうち「生命の力強さ」だけでなく、その裏側に潜んでいる「朽(く)ち、滅びゆく儚(はかな)さ」にも引き込まれそれを表現したいとも思うようになり、以前のテーマから変化していきました。力強く躍動する生命の裏には、滅びゆく死の影が、常に共にあります。静けさの中にこそ在る、本当の強さを表現できないかと模索し、今の表現に至ります。
これからの制作活動は、自分のテーマも大切に守りながら、私の作品が生活の中に溶け込めたり、気軽に飾って楽しんで頂けるように、色々な表現方法にチャレンジしたいと思います。
[2003年]
『第55回広島県美術展』入選(同2011年)
[2004年]
『第58回二紀展』入選(以後、毎年出品)
[2005年]
広島県立三次高等学校卒業
[2006年]
『個展 生いたち展』(君田生涯学習センター/三次市、同2009、2012年)
[2007年]
『広島大学ART17展 -ON THE WAY- タカラモノ、みつける途中』(旧日本銀行広島支店/広島市)
[2009年]
広島大学教育学部第四類造形芸術系コース 卒業
『第22回東広島市美術展』最優秀賞(2010、11年奨励賞、無鑑査作家に認定)
[2011年]
広島大学大学院教育学研究科造形芸術教育学専修 修了
『第13回雪梁舎フィレンツェ賞展』優秀賞
『第65回山口県美術展』入選
[2012年]
『第65回記念二紀展・第41回広島巡回展』広島宮永賞
『第6回ガレリア・レイノ大賞展』大賞
『イチナナ展』(gallery718/広島市)
『ART in 酒蔵 2012』(西条駅前酒蔵通り 賀茂輝一号蔵 他/東広島市)
[2013年]
『広島大学造形選抜展 絵画×版画×彫刻』(八千代の丘美術館/安芸高田市)
『松岡裕治×宍戸純 二人展』(はらみちを美術館/三次市)
『第11回春季二紀展』 出品作家に選抜
『樹響展』(松井銘木gallery.shop/出雲市)
[2014年]
『第5回 雪梁舎 風の会展』(雪梁舎美術館/新潟市)
『第47回島根県総合美術展 洋画部門』知事賞(最高賞)(同 2016、17年)
[2015年]
『新進芸術家育成交流作品展「FINE ART/UNIVERSITY SELECTION 2014-2015」』(茨城県つくば美術館/つくば市)
[2016年]
『輝く女性vol.3 女性アーティスト展』(雪梁舎美術館/新潟市)
『アキュムレーション 日々の蓄積、追い求めたい形・イメージ』
(ビックハート出雲 アートギャラリー/出雲市)
[2017年]
『第70回記念二紀展・第46回広島巡回展』 広島エフエム放送賞
『個展 宍戸 純展 ―対話―』(今岡美術館/出雲市)
[2018年]
『第6回 雪梁舎 風の会展』(雪梁舎美術館/新潟市、アカデミア・デッレ・アルティ・デル・ディゼーニョ/フィレンツェ)
『第128回島根洋画展』島根洋画会賞(最高賞)
『ことなるはね展』(いまみや工房/松江市)
[2019年]
『KUNIBIKI’19』(島根県立美術館/松江市)
[2020年]
『2→7 二紀会広島支部有志による小品展』(gallery718/広島市)
[2021年]
『第7回 雪梁舎 風の会展』(雪梁舎美術館/新潟市)
[2022年]
『広島二紀作家展』(泉美術館/広島市)
『第1回 峡谷の郷おったち現代美術展』(旧出雲市立乙立小学校校舎/出雲市)
[2023年]
『第75回記念二紀展・第50回記念広島巡回展』中国放送賞
『第2回 峡谷の郷おったち現代美術展』(旧出雲市立乙立小学校校舎/出雲市)
[2024年]
『フィレンツェ賞展入賞作家選抜小品展』(雪梁舎美術館/新潟市)
『KUNIBIKI’24』(島根県立美術館/松江市)